3月31日、午後1時30分から5時間にわたり、賃下げ問題と超過勤務の36協定についての、過半数代表者と木谷理事との協議が行われました。その非難されるべき内容の概要をお伝えしておきます。
(1)京都大学で働く者にとって極めて重要な賃下げを含む就業規則等の変更案については、3月31日に過半数代表者との協議が設定されていたにもかかわらず、使用者はその前日30日の役員会においてその変更を最終決定していたことを明らかにしました。これは労使対等を原則とする労働基準法の精神を使用者がまったく軽視していることの現れです。とりわけ、賃金のような基本的な労働条件については、使用者側が労働者側との十分な協議をして合意に至ることが望ましいことは言うまでもありません。労働者側との協議の場が設定されていながら使用者が最終決定を行ってしまっていたということは、31日の協議がまったく空疎な形式にすぎなかったことになります。良好な労使関係を損なうこのような使用者側の姿勢を過半数代表者は強く非難しましたが、木谷理事は何の譲歩もしませんでした。
(2)賃下げの内実そのものについても、過半数代表者はこれまで通り、賃下げの必要性・合理性が何ら認められないこと、賃下げによる不利益の代償措置がほとんどなされていないことを根拠に強く反対を表明しました。しかし、使用者側は今回の賃下げが現給補償をともなうことを理由に不利益変更ではなく代償措置の必要性も認めませんでした。しかし、一方では京都大学の職員の賃金レベルが「改善の必要な状態にある」ことを認めています。改善が必要なのに賃下げをするという自己矛盾を犯しながら、法人は今回の賃下げ改定を行ったのです。今後も賃金に関わる「必要な代償措置」を法人がどのように具体化していくのかを注視し、要求を強めなければなりません。
(3)時間外・休日労働にかかわる36協定については、月単位で80時間、年単位で700時間までの時間外勤務を容認することになっている第3条の削除を過半数代表者は強く要求しました。この時間数は就労者の心身の健康を損なう恐れが高いからであり、また、本来「緊急の業務その他」と限定されているにもかかわらず、この第3条による時間外労働が日常業務に転用されているからでもあります。しかし、使用者側は現状では700時間の時間外労働が必要がある職員がいることを盾に、この第3条の削除に応じようとしませんでした。しかし、協議を重ねた結果、1割削減の630時間までとする譲歩を示したので、協定の締結に応じました。これは一定の前進ではすがまだまだ不十分であるので、過半数代表者は4月以降の時間外労働の実態の把握にもとづく継続した協議を約束させています。
以上のように、今回の協議の内容は京都大学で働く者すべてにとって極めて過酷な結果となっています。労働環境としての京都大学がますます劣悪な状態になっていると危惧せざるをえませんし、このような状態を生み出している使用者の姿勢を強く非難したいと思います。
また、今回の協議で過半数代表者個人の力に限界があることを改めて痛感しました。京都大学ではたらくすべての人々が力が合わさることによってしか、職場としての京都大学は良くはなりません。すべての教職員のいっそうのご協力をお願いする次第です。
吉田事業場過半数代表者
川添 信介
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